3年後の身体障害者補助犬法の見直しをめざして


「私たち、障害者の自主選択の権利を奪わないでください」

全日本補助犬パートナーの会&全日本補助犬育成の会からのお願いです。

 補助犬申請にあたって、まずはじめに、補助犬希望者は、各都道府県及び中核都市の福祉課での、補助犬使用者としての認定が必須になります。その後、補助犬育成団体を紹介されますが、その際、担当のフィルターを通した情報公開ではなく、希望者自身で自主選択できるよう、補助犬育成団体のインフォメーションの公示を強く望みます。
  1. 私たちは、国や県のリハビリテーションセンターだけでなく、長い付き合いをしてきた、市民病院など地元の医学療法士や医師等による「障害者の審査」や「助言」を受け続けたい。
  2. 1度の認定授与ではなく、親身な育成団体による永続的なアフターケアを希望します。
  3. 自由で、自主性の高い選択ができるように、行政(各都道府県や政令指定都市)は、指定の補助犬団体を区切らず、補助犬に関する偏りのない情報を流して欲しい。
  4. 「自分自身の障害を知っているのは、障害者自身です」(マイケル・ウィンター:世界初の障害者運営によるバークレーの自立支援センター所長)の言葉どおり、訓練士や医師、リハビリ関係者の押し付けでない、障害者自身の「決定の自立」をうばわないでください。
  5. 自分たちの主張だけでなく、受け入れ側である「社会や企業、公共交通機関」と、「周囲の方々」の権利もわきまえた上で、補助犬への心からの理解を得ながらの「同伴の主張」を行なっていきます。
身体障害者補助犬法のこれから

今後、補助犬の育成に関しては申請をすれば、だれでもが補助犬育成団体を作ることができるわけです。補助金目当てで名乗りを上げる団体もないとはいえません。障害者自立と福祉を前提とした補助犬の育成をするために、国が資産や社会的な信頼で、育成団体と認定団体を切り離し、医療サイドの助言を受けながらの育成は、補助犬普及にとって良いきざしに見えます。

しかし、これらの改善の兆しである認定団体の条件や資産がまだ決まらず、一頭の認定済み補助犬もいない状況の中、二〇〇三年二月二日付け日本経済新聞に、法の改正を前提とした記事が載りました。

「厚労省はリハビリテーションセンターのような公的な医療専門機関を認定団体に加えることを検討している。車いすや各種補装員の扱いで障害者の更生を支援するのがセンターの役割。補助犬もその選択肢の一つとしてとらえる考え方だ。

 具体的な流れはこうだ。都道府県や政令市を窓口にセンターが障害者個々を診察し、身体機能を評価。どんな介助機能が必要なのか判断した上で、連携する介助犬育成団体に的確な訓練を求める。育成と認定の機能を分ける狙いだ。白羽の矢が立ったセンターは千葉、兵庫、名古屋など五カ所。横浜市総合リハビリテーションセンターは「正確に認定するため、育成団体と密接に連携し、訓練士の技術を評価することになるだろう」(伊藤利之センター長)」


補助犬の入り口である「ユーザー希望者の審査」と、出口ともなる「認定」を公立のリハビリテーションセンターに集約させる考えを厚生労働省が打ち出したように受け取れる記事でした。この記事に驚いた介助犬ユーザーからも、問合せがありました。すぐに、問い合わせると情報の出所は「厚生労働省」ではないとの答えでした。
 身体障害者補助犬法施行前も、うわさやデマでマスコミまで動くことが多々ありました。
「障害者自身の声」を生かせる討論の場がなくては、誰かが得をし、ユーザーとなる障害者が損をするような「利権がらみ」の法になるとも限りません。

ユーザー自主選択と責任

補助犬ではなく、ほとんどの補助具は、その障害者の等級にふさわしいものを支給されるために、専門医やリハビリ関係者の診断を得て、これまで請求されてきました。しかし、そのために、すべての障害者が必ずしも国公立のリハビリテーションセンターに行っているわけではありません。
 リハビリテーションセンターは各県に設置されているのではなく、数も限られます。補助犬ユーザー自身の身近な指定医療機関での審査と助言によって、補助具は得られるシステムをとられています。

この記事を読み、多くの介助犬ユーザーから声が上がりました。
「審査のために、初めて行ったリハビリテーションセンターで、一過性のチェックを受けて、私の何がわかるんだ」
「昔から、ずーと診て貰っているPTさんに審査してもらえなければ、これまでの細かな診断はできるはずがない」
「なぜ、自立のための介助犬を希望するのに、『介助犬育成は医療がらみにしなくてはならい』と決めつけるのかわからない」
これでは、障害者の自由な選択ではなく、補助金の支給あるからこそ「国が関与」しすぎた「障害者管理」になってしまう恐れがあります。
本人の希望によって、進行性の筋ジストロフィーやリハビリの可能性のある頚椎損傷などの介助犬希望者には、医療的な処置と併用される介助犬訓練も必要でしょう。「医療チームの適切な処置」が不可欠ともいわれます。

しかし、障害者のニーズはさまざまです。
ここで繰り返されるのは、ある介助犬ユーザーの言葉です。
「盲導犬をもらうために、目の治療は必要ないのに、なぜ介助犬にリハビリを無理やりくっつけるのかわからない」
 また、聴覚障害者に関しては、リハビリテーションセンター等に通うのは中途失調者か、言語障害者といわれています。補聴器を購入するには一般の耳鼻科医で診断書を書いてもらえば、入手できるはずです。
 ただでさえ、ユーザー希望者の手があがりにくい聴導犬に関して、わざわざ遠くのリハビリテーションセンターに通わなければならないとしたら、普及のさまたげになるのは必須です。

さらに、もうひとつ深く考えると、はたしてこれまでの「補助具の支給のプロセス自体」が、本来あるべき障害者福祉の形にのっとったものなのか? という疑問です。

マイケル・ウィンターの言葉を先に紹介しましたが、もう一度繰り返すと、障害者本来の自立を考えるとき、

「・・・障害をもっている本人が、自分にとって必要なサービスは何かということを一番よく知っていのだということを実証していきました。つまり、自分自身がコントロールし、管理する力があるんだということです。従来だと、お医者さんとかリハビリテーション関係者が、本人の声を聞かずにいろいろと指導していたわけですが、それは誤った考え方であり、自分のことは本人が一番よく知っているのだというわけです。」

 という言葉は、日本の補助犬ユーザーが今後ADA法のような権利法で自分たちの権利を獲得し拡大していくためには、もっと障害者福祉への根本的な議論があってしかるべきなのではないかと、いうことなのです。



ライン


メニューご挨拶
会の目的会の活動「補助犬相談室」会の歴史
情報・紹介見直しを目指してユーザーの会より
サポートリンクお問い合わせ